【5月25日 AFP】英国のエリザベス女王(Elizabeth II)の次男アンドルー王子(Prince Andrew)と離婚したセーラ・ファーガソン(Sarah Ferguson)さん(50)が、ビジネスマンと身分を偽った記者に、アンドルー王子との面会を取り持つ見返りに50万ポンド(約6500万円)を要求していたことが23日報じられ、英王室は困惑している。だが、多くの王室コメンテーターは「またか」との感想をもらしている。

 ファーガソンさんは、報道を認め率直に謝罪した。しかし、ファーガソンさんが問題を起こしたのは今回が初めてではない。

 ファーガソンさんは何年にもわたってタブロイド紙のかっこうの餌食となってきた。1992年には、自身の財務アドバイザーであるジョン・ブライアン(John Bryan)氏につま先を口で吸われている写真を撮影され、その後、離婚に至っている。

 また、義理の姉だったダイアナ元妃(Princess Diana)とは正反対の風変わりなファッションセンスについてもやゆされている。エリザベス女王の秘書官を務めたチャータリス卿(Lord Charteris)がファーガソンさんについて、「粗野でがさつで品がない」と評したことは有名だ。

 最近では、金銭問題についても話題を集めていた。例えば、ある弁護士事務所から10万ポンド(約1300万円)の料金未払いで訴えられているほか、米国に所有する会社は巨額の負債で倒産間近と見られている。

 ファーガソンさんは、英大衆紙ニューズ・オブ・ザ・ワールド(News of the World)に対し、離婚したアンドルー王子とは良好な関係を続けているとしながらも、1996年の離婚に伴う慰謝料はわずか1万5000ポンド(約190万円)だったことを明らかにし、「まったく貧乏なもんだわよ」と自らの経済的問題もあけすけに語っている。

 ある閣僚は今回の問題について、「恥ずかしく卑しいことで、非常に憤慨している」としているほか、英大衆紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)のコメンテーターは、「ヨーク公爵夫人(ファーガソンさん)による国家的パントマイムの最も新しい一幕だ」と述べた。

 一方では同情的な意見もある。英紙ガーディアン(Guardian)の前王室コメンテーターのジェームズ・ウィテカー(James Whitaker)氏は、「ショッキングだが、わたしにとっては驚きではない。せっぱ詰まった人びとと同じように、彼女も金のためなら何でもするつもりなのだ」と述べた。また、ファーガソンさんの慰謝料は、2人の子どもを持つ女性にとっては少なすぎるとした上で、「子どもが国家元首の孫となれば、このような少ない額はトラブルの元にしかならない」と指摘した。(c)AFP

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