【5月21日 AFP】オーストラリア・シドニー(Sydney)近郊で18日夜、3人組の強盗に襲われたドイツ人の交換留学生(27)が黒装束の「忍者」たちに救出された。

 実はこの忍者たち、たまたま現場付近の「忍者学校」でこの日の訓練を終えたばかりの生徒らだった。救出劇の様子を、彼らに忍術を教えているケイラン・ソト(Kaylan Soto)さん(42)がAFPに語ってくれた。

 その日、忍術教室が終わったのは夜も更けてのこと。家路についた生徒の1人が、「センセイ!そこの道で誰かが強盗にやられてます!」とあわてて引き返してきた。

 そこで18歳~47歳の生徒5人が現場に急行し、被害者の学生に殴るけるの暴行を加えていた3人組に大声を上げながら走り寄った。「やつらは、黒い忍者服を着た5人を見たとたん、凍り付いた。そしてパニックになって逃げ出したんだ。逃げ足は速かったね。まるで五輪選手並だったよ」とソトさん。

 警察は、強盗容疑で若者2人を逮捕、1人を指名手配した。

 ソトさんは携帯電話とiPod(アイポッド)を盗まれてしまった被害者のドイツ人について、「忍術の訓練を受けていたら被害を免れることができただろうに」と悔しそうにつぶやいた。

 「それにしても、強盗にとってはずいぶんとアンラッキーな場所だったよね。何せ、近くに忍者学校があるんだから」(c)AFP