【5月20日 AFP】(写真追加)韓国の哨戒艦「天安(Cheonan)」が3月に黄海(Yellow Sea)で爆発・沈没した問題について、原因を調べていた国際合同調査団は20日、北朝鮮潜水艦から発射された魚雷によって沈没したと断定する調査結果を発表した。

 米、豪、英、スウェーデンの専門家らを含む合同調査団は、「魚雷が北朝鮮の潜水艦から発射されたとの決定的な証拠がある」「それ以外に説明はできない」と指摘。現場から引き揚げられた魚雷の破片が、北朝鮮が輸出用に製造する魚雷の型と一致したとした。

 また、一部に確認されたハングル表記の刻印が、7年前に韓国が回収した北朝鮮の魚雷に記されていたものと合致したことも明らかにした。

 調査報告書によると「天安」は、250キロ級の北朝鮮製魚雷が水面下で爆発したことによる衝撃波と気泡の影響で2つに割れ、沈没した。15日に「天安」から回収された魚雷のスクリューやモーター部分、操舵装置が「北朝鮮の輸出用兵器のカタログに掲載されたCHT-02D魚雷の設計図と完全に一致した」という。

 さらに、魚雷は小型潜水艇から発射された可能性が高いとし、「数隻の小型潜水艇と支援母船が、攻撃の2~3日前に西海(黄海)の海軍基地を離れ、攻撃の2~3日後に帰港したことを確認した」とも指摘した。沈没当時、他国の潜水艦は付近にはいなかったという。

■北は「全面戦争」を警告

 発表を受けて北朝鮮は同日、改めて関与を否定するとともに、制裁が課せられた場合には「全面戦争」が起きると警告した。

 韓国の聨合(Yonhap)ニュースによると、北朝鮮の国防委員会(National Defence CommissionNDC)はラジオで声明を発表し、韓国側の調査結果は「でっち上げだ」と非難。独自の調査団を韓国に派遣して証拠を確認するとした上で、「北朝鮮に対する制裁が適用された場合には、全面戦争を含む断固たる措置を取る」と警告した。(c)AFP