【5月19日 AFP】米沿岸警備隊(US Coast Guard)は18日までにフロリダ(Florida)州最南端、キーウエスト(Key West)の海岸から約20個の油塊(タールボール)を回収した。英エネルギー大手BPの石油掘削施設「ディープウォーター・ホライゾン(Deepwater Horizon)」の爆発・水没事故によって、メキシコ湾へ流出した原油がいよいよ漂着したとの不安を引き起こしている。

 ルイジアナ(Louisiana)州沖の海底にある油井から噴出する原油を追跡中の科学者たちは、強力な潮流によって原油がフロリダ半島先端まで到達し、その繊細なさんご礁にダメージを与える可能性をすでに警告していた。

 キーウエスト周辺を管轄する沿岸警備隊の広報担当官によると、17日にフォート・ザッカリー・テイラー州立公園(Fort Zachary Taylor State Park)内の浜辺で回収されたタールボールは直径約7.6~20.3センチまでの約20個。タールの試料はコネティカット(Connecticut)州の研究施設に送られ、成分を分析中だ。またさらにタールボールがないか、米海洋大気局(National Oceanographic and Atmospheric AdministrationNOAA)の専門家らが現在も沿岸を探している。
 
 タールボールが見つかった現場は、浅瀬や暗礁で多くの小島が連なるフロリダ半島先端フロリダキーズ(Florida Keys)の都市キーウエストの中心部からわずか0.5キロしか離れていない。世界第3位の広大なさんご礁に守られた「聖なる海」を訪ねる旅行者に人気の観光地でもある。(c)AFP