【5月18日 AFP】世界で2番目に古く、2番目に深いアフリカ中部のタンガニーカ(Tanganyika)湖の水温が、過去1500年で最も高くなっており、数百万人の生活がかかる漁業を脅かしているとの調査結果が、16日の英科学誌ネイチャー・ジオサイエンス(Nature Geoscience)に掲載された。

 調査を行ったのは米ブラウン大学(Brown University)の地質学者ジェシカ・ティアニー(Jessica Tierney)氏率いる研究チーム。湖底の堆積(たいせき)層を調べた結果、現在の湖面温度26度は、西暦500年以来の高温だということが明らかになった。

 タンガニーカ湖の水温上昇は20世紀末ごろから加速。他の観測地点から収集した膨大なデータと突き合わせると、温室効果ガスによる人為的な温度上昇の可能性が高いという。

 また、タンガニーカ湖の水温が上昇するにつれ、湖内の生物活動も減少。湖面の温度が高くなりすぎると、湖の深部からわきあがる冷たい水流との循環が困難になり、冷たい水流に含まれる重要な栄養素が生物に届かなくなる。その結果、食物連鎖をたどって最終的には漁業向けの魚にも影響が出ることになるという。

 ブルンジ、タンザニア、ザンビア、コンゴ(旧ザイール)の約1000万人が、タンガニーカ湖の飲料水やイワシなどの魚にたよって生活している。湖での漁獲高は年20万トンに上る。(c)AFP