【5月13日 AFP】米ルイジアナ(Louisiana)州沖で起きた石油掘削基地の爆発・水没事故以降、油井からの原油流出を食い止めようとしている英エネルギー大手BPをサポートするため、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は科学者たちによる顧問団を結成した。

 約3週間前に起きた同事故以降、原油はメキシコ湾(Gulf of Mexico)に流出し続けている。ノーベル物理学賞の受賞者でもあるスティーブン・チュー(Steven Chu)エネルギー長官は12日、報道陣に「米国の知力を結集して問題解決にあたる」と語った。

 チュー長官によると政官民、学界から最高レベルの物理学者、エンジニア、物質科学者、地質学者らを集め、「型にはまらない発想」で流出を停止させる方法を探る。「事態は改善しつつある。1週間前よりもましな気分だ」と述べたチュー長官は、そう楽観的に語れる新たな材料については言及しなかった。

 停止作業は現在、流出個所をふさぐように海底に箱を沈め、中にたまった原油を長いパイプを使って海上の船上へくみ上げる方法を週末までには開始しようと、最終準備に入っている。

 また、事故後に正常に作動しなかった油井からの流出を止める噴出防止装置に、ゴルフボールや古タイヤの破片といった「ごみ」を詰め込んで漏れ口をふさぐ作業も準備されている。(c)AFP/Kate Murphy

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