【5月10日 AFP】70年前から食べ物も飲み物も摂取していないという83歳のインド人ヨギ(ヨガの聖者)について、体の仕組みを15日間にわたって調査したインドの科学者たちが、観察期間が何事もなく終了したことに仰天している。

 ヨギのプララド・ジャニ(Prahlad Jani)さんは前月22日から、インド西部アーメダバード(Ahmedabad)の病院に缶詰めにされ、医師30人によって24時間態勢で15日間にわたって観察された。

 期間中、ジャニさんは一度も飲食せず、トイレにも行かなかった。インドの生理学関連研究施設「DIPASDefence Institute of Physiology and Allied Sciences)」のディレクター、G. Ilavazahagan氏は、「実験期間中、(ジャニさん)が液体と接触したのは、うがいと風呂の際だけだった」と声明で述べた。

 観察期間を終えた神経学者のSudhir Shah氏は、記者団に「(ジャニさんが)どのように生き延びているのか、わからなかった。何が起きているのか、まだ謎のままだ」と驚きを表明した。

 Shah氏は「ジャニさんがエネルギーを水や食料から得ていないのであれば、周囲からエネルギーを得ているに違いない。エネルギー源が日光の可能性もある」と述べた。「医学専門家として、われわれは可能性から目を背けてはならない。カロリー以外のエネルギー源があるはずだ」

 ジャニさんの観察調査を実施した国防省傘下のインド国防研究開発機構(Defence Research and Development OrganisationDRDO)は、数か月以内に詳細な研究結果を明らかにする考え。兵士たちが飲食をせずに生き延びる方法や、宇宙飛行士への応用、さらには自然災害で閉じこめられた人びとが生き延びる方法などに応用できるかもしれないと期待を寄せている。(c)AFP/Rajesh Joshi

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