【5月9日 AFP】米南部ルイジアナ(Louisiana)州沖のメキシコ湾(Gulf of Mexico)で起きた原油流出事故で、破損したパイプにドーム状の巨大な鋼鉄の箱をかぶせて原油を吸い上げる作業がうまくいかなかったため、技術者らが9日、善後策を検討している。

 英エネルギー大手BPの原油除去作業を指揮している同社のダグ・サトルズ(Doug Suttles)氏は、「昨夜はドーム上部にハイドレート(水和物)が詰まったためにうまくいかなかった。だが、まだ『失敗だった』と言うつもりはない」と語った。

 詰まりを取るだけなら鋼鉄の箱を海水温が高いところにまで引き上げればよいが、原油を吸い上げられるようにパイプに水和物が付着しないようにするには別の対策が必要になる。

 技術陣は、ひとまず箱を200メートルほど離れた海底に移動させたうえで、箱内部の水を温める方法を検討している。BPでは水和物の付着自体は予想していたが、作業の妨げになるほどの問題だとは考えていなかったという。

 現在、1日あたり21万バレル(約3万3000立方メートル)の原油が流出しているとみられているが、関係者は次の対策を打ち出せるまでには数日かかるだろうと話している。(c)AFP/Mira Oberman