【5月6日 AFP】インターネット関連の規制を強化する中国当局が、インターネット上にコメントを投稿をする際、ウェブサイト利用者に本名の使用を義務付ける制度の導入を検討する動きを見せている。

 5日の国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)によると、中国の大手ウェブサイトの管理者にはすでにサイト登録の際に本名の使用が義務付けられている。サイト上への投稿掲載に責任を負っているのはこの管理者だが、国務院新聞弁公室(State Council Information OfficeSCIO)の王晨(Wang Chen)主任は「ID認証制度をオンライン掲示板のユーザーにまで拡大するつもりだ」と表明したが、目標とする導入時期や内容については詳しく語っていない。王氏は中国共産党の宣伝部副部長も兼任している。

 現在でも中国では、大手のニュースサイトにコメントを投稿する場合にはログオンしなければならず、実質的に匿名投稿はできないが、ログオンするためのユーザー登録自体には本名の使用は義務付けられていない。チャイナ・デーリーによると、オンライン上での本名登録制度を検討していることについて、政府関係者が明言したのは初めて。
 
 中国当局は前週、問題視されることの多い国家秘密保護法を強化し、インターネットや携帯電話の事業者に対し、警察が要請した場合、ユーザーに関するものも含めた情報提供などの協力を義務付けた。改定前の同法によって中国ではこれまで、複数の著名な反政府活動家が逮捕・投獄されるなどしている。(c)AFP