【5月6日 AFP】1日の睡眠時間が6時間未満の人は早死するリスクが高くなるという研究結果を、英伊の大学が5日、米睡眠専門家協会(APSS)の機関誌「SLEEP(睡眠)」に共同発表した。

 英ウォリック大学(University of Warwick)と伊フェデリコ2世大学(Federico II University)は10年間にわたる共同研究で、世界各国の130万人以上を対象に調査した。すると、睡眠時間が1日6時間に満たない人が早死する確率は、6~8時間の睡眠をとる人に比べて12%高いという結果が出た。

 研究チームでは、睡眠不足と早死の間に「直接的な因果関係がある明確な証拠」を発見したと評価している。

 研究を率いたウォリック大のフランセスコ・カプッチオ(Francesco Cappuccio)教授は、「睡眠時間が短いと糖尿病や肥満、高血圧や高コレステロールを引き起こしやすい」と指摘。睡眠不足と疾患の関連性は、ホルモン機構や代謝機構に由来しているとの仮説を示した。

 カプッチオ教授は、睡眠時間は公衆衛生問題の1つであり、医師らは行動リスク因子としてみなすべきだと主張する。「社会がわたしたちの睡眠時間をどんどん短くしてきたのだ」

 一方、研究では1日9時間を超える睡眠と早死との相関関係も確認された。ただカプッチオ教授は、過剰睡眠は早死の原因というよりも、疾患の結果である可能性が高いと説明している。

 1日6~8時間の睡眠をとる人の間では、有害な影響は何も見られなかったという。(c)AFP