【5月3日 AFP】イエス・キリストが洗礼を受けたとされるヨルダン川(Jordan River)。かつては大河だったが、乱開発や汚染、地域管理の欠如などで来年に枯渇してもおかしくないような状態にあるという。

 環境保護団体「地球の友中東(FoEME)」が3日に発表した報告書によると、ヨルダン川の水の約98%はイスラエル、シリア、ヨルダンによって取水され、現在はガリラヤ湖(Sea of Galilee)南の「ひとしずく」になっているという。現在の流れは下水、農業廃水、塩水などで汚染されており、集中的な措置をとらなければ、2011年末までには枯渇してしまう可能性があるという。

 ヨルダン川はガリラヤ湖から死海(Dead Sea)に至る217キロを流れ、支流はイスラエル、ヨルダン、シリア、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)地区に広がる。

 1847年にヨルダン川を調査した米海軍当局者は、同川が急流と滝で構成されていると報告しているが、現在は半塩水で川幅も数メートルしかない。(c)AFP/Patrick Moser

【関連記事】キリスト洗礼の聖地、「神聖」にほど遠い水質に悩む巡礼者