【4月29日 AFP】総選挙を来週に控えた英国で28日、遊説中のゴードン・ブラウン(Gordon Brown)首相が有権者の女性を「頑固者」呼ばわりし、直接謝罪した。厳しい戦いの中、大きな痛手となった。

 イングランド北西部ロッチデール(Rochdale)を遊説していた労働党党首のブラウン首相は、テレビカメラの前で、有権者のギリアン・ダフィー(Gillian Duffy)さん(66)から移民政策、国債、税金などについて質問を受けた。

 首相はダフィーさんとの会話を終え車に乗り込むとすぐさま側近に対し、「とんだ災難だ。あの女とわたしを会わせるべきではなかった。誰のアイデアだ?」と文句を言い、「あの頑固な女め」と悪態をついた。車はすでにその場を離れていたが、マイクのスイッチが入ったままで、会話が拾われてしまった。

 これまでずっと労働党を支持してきたダフィーさんはブラウン首相の態度について、「ひどすぎる」とし、「本当にがっかりした。教養のある人なのに、なぜあんな言葉が出るのかしら」と語った。ブラウン首相が選挙で勝ってほしいかと聞かれると、「今はどちらでもいいわ」と答えた。

 ブラウン首相はラジオ、電話を通じて謝罪した後、ダフィーさんの自宅を訪れ、面と向かって謝罪した。

 ダフィーさんの自宅で40分過ごした後、首相はドア口で、「ギリアンと話したところだ。起こってしまったことを恥ずかしく思う。わたしは後悔している罪人だ」と語った。(c)AFP/Katherine Haddon