【4月28日 AFP】英スコットランドのネス湖(Loch Ness)に生息するとされる謎の生き物「ネッシー(Nessie)」について、警察がかつて、存在を確信していたことが、26日に公開された文書で明らかになった。

 ネス湖を管轄するインバネス(Inverness)警察のウィリアム・フレーザー(William Fraser)本部長は1938年、スコットランド政府の政務次官にあてて、ネス湖に住む「謎の生き物」をハンターから保護するよう要請する書簡を送った。

   この書簡は、スコットランド国立公文書館(National Archives of ScotlandNAS)が、記録から政府の変化をたどる特別展「An Open Secret(公然の秘密)」に展示する政府関連文書の一環として公表したもの。

 書簡のなかで、フレーザー署長は「今や、ネス湖に何らかの奇妙な生き物が生息していることは、疑いの余地はない」と述べ、警察だけでその生き物を保護するには限界があるとして、政府の支援を求めている。

 これより5年前には、ネス湖の「怪獣」、もしくは「巨大なウミヘビ」に関する目撃証言や記事、画質の粗い写真が相次いで公開されたことをうけて、英議会でも「怪獣」問題が取り上げられた。議会では「怪獣」に関する科学的捜査を実施すべきか議論が交わされたが、最終的には、「怪獣」の存在は大衆に興味と娯楽を提供するものであり、存在の有無を突き止めるよりは、そっとしておくべきだとの結論に達している。

 しかし、その後も怪獣「ネッシー」の捕獲を狙うハンターが後を絶たず、地元住民から事態を憂慮する声が上がったことから、フレーザー署長がスコットランド政府に保護要請書簡を送ることとなった。(c)AFP