【4月27日 AFP】モスクワ(Moscow)-サンクトペテルブルク(St. Petersburg)間を3時間45分で結ぶ、ロシア初の高速列車「サプサン(Sapsan)」。昨年12月の運行開始以来、裕福な通勤客にはおおむね好評だが、沿線住民からは投石などの嫌がらせを受けるほどまでに嫌われている。

 ロシア鉄道(Russian RailwaysRDZ)によると、サプサンに不満をもつ住民らによる攻撃は、これまでに少なくとも14件発生しており、投石などのほかに銃撃までも発生しているという。

 今年1月には、トベリ(Tver)地域のある村で、氷の塊がサプサンに投げつけられ、窓ガラスが割れる事件があった。氷を投げつけた男は警察に対し、時速250キロで走行するサプサンによって発生した突風で驚かされたことが理由だと供述した。

 サプサンは在来線と同じ線路を走行するが、ロシアでは線路の周りにはフェンスなどなく、近隣住民は線路を歩道代わりに使用するため、特に危険度が高い。ロシア内務省高官によると、運行開始以来、4人がサプサンにはねられて死亡しているという。

 内務省運輸関連法規部門のアレクサンドル・ブレブノフ(Alexander Brevnov)氏は、サプサンが高速運転中もほとんど音がしないことや、住民が不便な場所にある踏切を使わずに線路上を横切ることなどが原因だと指摘。その上で、「イーゴリ・レビチン(Igor Levitin)運輸相は、サプサンは他の在来線とは全く別の線路を使用するべきだと言い続けている。まったくその通りだ」と語った。

 ロシア国内の線路上では、昨年だけで2953人が死亡、1494人が負傷している。(c)AFP/Marina Koreneva

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