【4月20日 AFP】アイスランドのエイヤフィヤトラヨークトル(Eyjafjallajokull)氷河の火山が噴火活動で排出する二酸化炭素(CO2)が、一日当たり15万~30万トンにも達することが、科学者らの調べで19日、明らかになった。これは、中小規模の欧州経済国が排出するCO2に相当する量だ。

 同火山のCO2排出量について、英ダーラム大学(University of Durham)の地質学者、コリン・マクファーソン(Colin Macpherson)氏は日量15万トン、パリ地球物理学研究所(Paris Institute for Global PhysicsIPGP)のパトリック・アラール(Patrick Allard)氏は最大で同30万トンと計算した。両氏とも、概算での見積もりとしている。

 一方、持続可能な開発と環境の関係を追跡調査している世界資源研究所(World Resources InstituteWRI)によると、エイヤフィヤトラヨークトル火山が排出するCO2は、CO2排出国リストの47位から75位以内に相当する量だという。

 2005年の同リストで47位ということは、オーストリア、ベラルーシ、ポルトガル、アイルランド、フィンランド、ブルガリア、スウェーデン、デンマーク、スイスなどよりも排出量が多いということになる。

 科学者らは、地球規模で見れば、同火山の排出量は、全世界の温室効果ガス排出量の0.3%にも満たないと強調している。

 エイヤフィヤトラヨークトル火山は前月20日の噴火以来、依然として蒸気と火山灰を噴出し続けており、茶色がかった灰色の火山雲は、約400キロにわたって広がっている。(c)AFP