【4月19日 AFP】ローマ・カトリック教会(Roman Catholic Church)の聖職者による未成年への性的虐待疑惑で、ローマ法王ベネディクト16世(Benedict XVI)は18日、訪問先の地中海の島国マルタで、虐待被害者たちと会談し、涙をながして「遺憾と悲しみ」の意を表明した。

 法王と被害者ら8人はマルタのローマ法王庁(バチカン)大使館で25分間にわたって法王と会談した。被害者の1人、Lawrence Grechさんは、「法王はわたしたちの話を個別に聞き、祈りをささげ、わたしたちと一緒に涙を流した」と語った。

 バチカンは、ローマ法王が「被害者とその家族らの受けた苦しみに、遺憾と悲しみの意を示した」と声明を出した。法王は「祈りをささげ、カトリック教会が全力で疑惑の調査を行っており、虐待の責任者を処罰するまで調査を続けることを約束」した。また、「未来の若者たちを守ることのできる方策を実施する」ことを被害者らに約束したという。

 ベネディクト16世は2008年に米国とオーストラリアで虐待被害者らと会談を行っている。最近になり、ベネディクト16世を含むバチカン中枢が虐待加害者をかばったとの疑惑が巻き起こっている。(c)AFP/Michele Leridon