【4月14日 AFP】(一部更新、写真追加)中国西部、青海(Qinghai)省玉樹チベット族自治州玉樹(Yushu)県で14日朝、強い地震が発生した。中国国営新華社(Xinhua)通信が現地当局者の話として伝えたところによると、この地震で約400人が死亡、約1万人が負傷した。

 新華社によると、震源に近い結古(Jiegu)鎮では住宅の85%以上が倒壊した。玉樹ホテル(Yushu Hotel)の壁に大きな亀裂が入り、4階建ての地方議会議事堂も倒壊した。

 結古鎮の消防当局者によると、同地では少なくとも1つの学校が倒壊して約20人の子どもががれきに生き埋めになったほか、鎮の商工部では40~50人ががれきの下で救助を待っているという。倒壊した学校の数は明らかになっていない。この消防当局者によると、これまでに32人ががれきから救出されたという。

 青海省はすでに生存者の捜索に当たる約700人の兵士とテント5000張、綿入りコートと毛布5万枚などを被災地に送り、さらに5000人の救助隊を派遣する予定だ。

■M5.8の余震も

 中国地震局(China Earthquake AdministrationCEA)は、この地震のマグニチュードは7.1で、ダム壁に亀裂が入るなど被害は広範囲に及んでいると発表した。一方、米地質調査所(USGS)の観測によると地震発生時刻は14日午前7時49分(日本時間同8時49分)で、マグニチュード(M)は6.9、震源は同省ゴルムド(Golmud)市の南南東375キロ付近。チベット(Tibet)自治区など周辺地域でも揺れを感じた。
 
 USGSによると余震が続いており、マグニチュード5.8の大きな余震もあった。今後数日は余震が続くとみられている。

 政府統計によると玉樹県の人口は約8万人。中国西部は地震が多く、前年8月にゴルムドで起きたマグニチュード6.2の地震では、死者の報告こそなかったものの、地滑りや住宅約30軒が倒壊するなどの被害が出た。

 2008年5月に隣接する四川省(Sichuan)で起きたマグニチュード8.0の大地震では、8万7000人を超える死者・行方不明者が出ている。

 中国国営新華社(Xinhua)通信は、現地に救助隊が急行しているが、ひび割れや地滑りなどで道路が寸断されているため救助作業は難航するおそれもあると伝えた。(c)AFP


【図解】中国青海省の地震