【4月13日 AFP】ある特定の高炭水化物食品を多く食べる女性は、心臓疾患のリスクが高い――。このような研究結果が12日、米内科学会誌「アーカイブス・オブ・インターナル・メディシン(Archives of Internal Medicine)」上で発表された。

 研究によると、精白パンや菓子、砂糖を多く使用した朝食シリアルなど「高グリセミック指数(GI)」の食品を多く取っている女性では、冠動脈疾患の罹患(りかん)率が増加していたという。男性に関してはこういった傾向はなかった。

 高炭水化物食品は、血糖値とトリグリセリドとして知られる有害な血中脂質量を上昇させるほか、善玉コレステロールである保護作用性HDLの値を低下させる。これが原因で、心臓疾患リスクが高まる。

 だが、研究チームは、必ずしもすべての炭水化物食品が、血糖値に同様の効果を与えるわけではないことを発見。果物や野菜、全粒粉などの低GI食品に比べ、高GI食品の方がより多くの影響を血糖値とトリグリセリドに与えていると結論付けた。

 研究チームを率いたイタリアのFondazione IRCCS Istituto Nazionale dei Tumoriのサビナ・シエリ(Sabina Sieri)氏らは、男性1万5171人、女性3万2578人のイタリア人成人計4万7749人を対象に食事についてのアンケートを行った。

 その結果、炭水化物をもっとも多く摂取する女性は、少量しか摂取しない女性に比べ、心臓疾患リスクはおおよそ2倍となっていた。さらに、これらの炭水化物を高GI値と低GI値に分類した場合、違いはより明確となった。

 最も高いGI値の食品を多く取る女性は、最も低いGI値の食品を取る女性に比べ、心臓疾患リスクが2.24倍となった。

 研究では、炭水化物の摂取やGI値などは、男性の心臓疾患リスクとあまり関係がないとされている。男性より女性の方が、トリグリセリド値の上昇が、心臓疾患におけるより強いリスク要因になっている可能性が高いのだという。ただし、研究チームは、これを実証するためには、より詳細な研究を行う必要があるとしている。(c)AFP