【4月12日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は核安全保障サミット開幕前日の11日、アルカイダ(Al-Qaeda)などの過激派組織が米国に対して核兵器を使用する恐れがあると述べた。

「短期的、中期的、長期的にみて、米国の安全に対する単一の脅威として最大のものは、テロ組織が核兵器を手に入れるという可能性だろう。これは今後数年間の米国そして世界の安全保障事情を一変させる可能性がある」(オバマ大統領)

 米国が議長を務める首脳会議としては過去65年間で最大規模となる核安全保障サミットは12、13日の両日、米ワシントンD.C.(Washington D.C.)で開催される。

 米国は今回のサミットで主にプルトニウムやウランの盗難や密輸、過激派への売却の防止策を取り上げ、各国の指導者に対応を求める方針。また核開発を進めるイランや、すでに核兵器を持っている北朝鮮についても話し合われるとみられる。チリ政府はすでに高濃縮ウランを米国に送ることを決めているが、米政府は同様の対応を発表する国がほかにも出ることを期待している。

 オバマ大統領は、冷戦時代の核兵器を手放したカザフスタンのヌルスルタン・ナザルバエフ(Nursultan Nazerbayev)大統領、南アフリカのジェイコブ・ズマ(Jacob Zuma)大統領と会談したほか、国境を接して共に核兵器を持つインドのマンモハン・シン(Manmohan Singh)首相とパキスタンのユサフ・ラザ・ギラニ(Yousuf Raza Gilani)首相とも会談した。

 一方、このところ対米関係が緊張しているイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Minister Benjamin)首相はサミットへの出席を見送った。イスラエルは公式には核兵器保有を宣言していないが、この問題をイスラム諸国が取り上げるのを恐れたためとの報道もある。(c)AFP/Stephen Collinson