【4月11日 AFP】(一部更新、写真追加)タイの首都バンコク(Bangkok)中心部で10日、約1か月前から抗議行動を続けていたタクシン・シナワット(Thaksin Shinawatra)元首相派と軍が衝突し、これまでに民間人14人、兵士5人の19人が死亡、825人が負傷した。死傷者は増える恐れもある。11日午前、タイの救急関係者が明らかにした。同国の政治的衝突としては過去20年で最悪の事態となった。

 死亡者にはロイター通信(Reuters)の日本人カメラマン、村本博之(Hiroyuki Muramoto)さんも含まれている。

 催涙弾と銃で元首相派の排除を試みた軍の部隊に対し、赤いシャツを着たデモ隊は投石して対抗した。市内には銃声が響き、バックパッカーが多いことでも知られるカオサンロード(Khaosan Road)には機動隊の盾と血痕が残された。軍は一時退却し、兵士5人を人質にとった元首相派に対して休戦を呼びかけたが、反政府派は占拠した場所からの退去を拒否するなど、11日になっても混乱は続いている。

 元首相派の指導者Jatuporn Prompan氏は11日未明、これ以上の流血を避けるためにはプミポン・アドゥンヤデート(Bhumibol Adulyadej)国王の介入が必要だと述べた。

 アピシット・ウェチャチワ(Abhisit Vejjajiva)首相は犠牲者に哀悼の意を示したが、元首相派が求めている辞任要求ははねつけた。(c)AFP

【参考】元首相派が撮影した衝突の様子(Youtube/AFPBBチャンネル)