【4月10日 AFP】中央アジア・キルギスで、クルマンベク・バキエフ(Kurmanbek Bakiyev)大統領を失脚に追い込んだ流血の衝突が、同国の南北間対立をきっかけとした内戦へと発展する恐れが出ている。

 野党勢力は7日、75人の死者を出した暴動により首都ビシケク(Bishkek)や北部のタラス(Talas)、ナリン(Naryn)などを掌握したものの、依然として南部の辺境地帯はバキエフ大統領の支持者らの勢力下にある。

 暫定政権を率いるローザ・オトゥンバエワ(Roza Otunbayeva)元外相は8日、バキエフ氏が故郷の南部ジャララバード(Dzhalal-Abad)に逃亡し、南部で支持拡大を目指した活動を行おうとしていると述べ、状況は「複雑だ」と説明した。

 キルギスの南部は、華やかな色彩の伝統衣装に身を包む人々が暮らす辺境地域であるのに対し、北部は裕福で教育水準が高くエリート層が暮らす地域とされている。

 キルギスの社会は国の地形によって分割されており、天山(Tian Shan)山脈の高い山々により、ウズベキスタンやタジキスタン、中国との国境に面する乾燥した南部地域と、かんがい設備が整った肥よくな北部地域が分けられている。(c)AFP/Antoine Lambroschini

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