【4月9日 AFP】(写真追加)南アフリカの洞くつで、190万年前の新種の猿人の化石2体が発見されたとする論文が、8日の米科学誌サイエンス(Science)に掲載された。ヒトの進化過程における空白の部分に光を当てる発見だという。

「アウストラロピテクス・セディバ(Australopithecus sediba)」(セディバ猿人)と名付けられた保存状態の極めて良い2体の化石は、2008年、ヨハネスブルク(Johannesburg)から40キロのところにある洞くつの中で発掘された。

 30歳前後の女性と11~13歳の少年と推定され、身長はともに127センチ程度。2人は親族であった可能性が高いという。

 直立歩行し、長い腕と強く握れる短い手を持ち、歯が小さいなど、最も初期の現生人類(ホモ・サピエンス)との共通点を多数有している。

 また、骨盤が発達し、足が長かったため、人間のように走ることや木に登ることが可能であったと考えられる。脳の容積は、現生人類のものの3分の1程度だったとみられる。 

 骨格は初期の現生人類と似通っているものの、320万年前のアファール猿人の人骨「ルーシー(Lucy)」との共通点も見られ、初期人類との関係性におけるセディバ猿人の正確な位置づけは困難だという。(c)AFP