【4月2日 AFP】ホテルのバーでビールを飲みイスラム法に違反したとしてむち打ち刑を言い渡されたマレーシアのモデル、カルティカ・サリ・デウィ・スカルノ(Kartika Sari Dewi Shukarno)さん(33)が、パハン(Pahang)州のスルタン(イスラム王侯)の決定によって3週間の地域奉仕活動に減刑された。

 スカルノさんは2日、同州の宗教警察に出頭し、警察官に伴われて社会奉仕活動の場所に指定された児童養護施設へ向かった。

 2児の母であるスカルノさんは前年、同州のホテルのバーでビールを飲んだため、宗教裁判所からむち打ち6回と罰金の刑を言い渡された。しかし1日になって、スカルノさんが、同州のスルタンによる減刑の決定を通知する手紙を今週、受け取ったことを明らかにした。

 マレーシアでは飲酒は違法ではないが、人口の約60%を占めるマレー系イスラム教徒の間ではイスラム法で禁じられている。違反した場合、イスラム法上ではむち打ちや最高3年の禁固刑を科すよう定められているが、実際に刑が執行されることはまれだ。

 2月には婚姻関係にない男性と性行為をもったとして女性3人がむち打ち刑を執行されたが、同国でもイスラム法によるこうした刑罰は初めての例で、他民族国家マレーシアで勢いづく「イスラム化」をめぐる議論が激化していた。(c)AFP