【3月27日 AFP】水槽にシャンプーを入れて熱帯魚12匹を死なせたとして有罪判決を受けた女性テレビ司会者の控訴審でデンマーク・コペンハーゲン(Copenhagen)の控訴裁判所は26日、被告に無罪を言い渡した。

 被告の国営テレビ局DR1の司会者、リスベト・クロスター(Lisbeth Kloester)氏は2004年、消費者問題を扱ったテレビ番組のなかで、フケ防止用シャンプーに含まれる有害物質の程度を実演で確かめるため、「非常に薄めた」シャンプーを熱帯魚のグッピー13匹が入った水槽に入れた。3日後には、1匹を残して全部のグッピーが死んだ。

 この実験をテレビで見た獣医がグッピーに苦痛を与えたとしてクロスター氏を告発し、昨年5月に行われた第一審では「動物に対する故意の残虐行為」および動物愛護法違反で有罪判決が出された。しかし、告発から4年半もの年月が経過していたため、この時の裁判では同氏に刑罰は科されなかった。

 だが、クロスター氏は判決を不服として上訴。上訴審で裁判官はクロスター氏は欧州連合(EU)の動物実験に関する法律に違反してしておらず、実験がグッピーに苦痛を与えたと断定もできないと判断した。

 上訴審を終えたクロスター氏は、「報道の自由にとって偉大な勝利だ」と喜びを語り、「判決が示したように、わたしはグッピーたちの殺害者ではないし、動物愛護法にも違反していない」と自らの主張を繰り返した。(c)AFP

【関連記事】シャンプーで熱帯魚殺したTV司会者に有罪判決、デンマーク