【3月23日 AFP】第2次世界大戦(World War II)中のナチスによる「ホロコースト(ユダヤ人の大量虐殺)」から、ドイツ人実業家オスカー・シンドラー(Oskar Schindler)氏によって救われたユダヤ人801人の氏名を記した「シンドラーのリスト」が、220万ドル(約2億円)で売りに出された。民間が保有するリストとしては現存する唯一のものだという。

 歴史資料取引業のゲーリー・ジメット(Gary Zimet)氏は「間違いなく最も重要な第2次世界大戦の資料」であり「民間に残っている唯一のリストだ」と語った。

「シンドラーのリスト」は、シンドラー氏と会計士のイザック・シュターン(Itzhak Stern)氏が1945年4月18日に作成した13ページに及ぶリストで、スティーヴン・スピルバーグ(Steven Spielberg)監督のハリウッド映画『シンドラーのリスト(Schindler's List)』で有名になった。

 リストには男性801人の氏名が職業、誕生日と共に記載されている。収集家向けウェブサイト「MomentsInTime.com」を運営するジメット氏は売り主の希望に基づき、リストを競売ではなく「早い者勝ち」で売却するという。

 ジメット氏によると、「シンドラーのリスト」は全部で7つの版が作成されたとされ、現存するのは4部とされている。米国のホロコースト記録博物館(US Holocaust Memorial Museum)と独コブレンツ(Koblenz)のドイツ連邦公文書館にそれぞれ1部ずつ、イスラエルのホロコースト記念館「ヤド・バシェム(Yad Vashem)」に2部が保管されている。(c)AFP

【参考】収集家向けウェブサイト「MomentsInTime.com」