【3月17日 AFP】「Symbolics.com」というドメイン名を知っているだろうか?おそらく知らないだろう。

 米マサチューセッツ(Massachusetts)州のこのコンピューターメーカーは、25年前の今週、ちょっとした歴史的な役割を果たした――後にワールドワイドウェブ(WWW)として知られるようになるものに「.com(ドットコム)」ドメインを世界で初めて登録したのだ。

 25年前の1985年、インターネットの前身に深く関係する米国防総省の国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects AgencyDARPA)にドットコムのドメイン名を登録したのは、Symbolics.comを含めてわずか6企業だった。

 しかし10年後の1995年、ドットコムドメインは12万件に急増した。「現在では8500万件のドットコムドメインが登録されている」と、インターネットインフラ提供大手「ベリサイン(VeriSign)」のマーク・マクラフィン(Mark McLaughlin)社長兼最高経営責任者(CEO)は語る。

 マクラフィン氏は、ドットコム25周年を記念して開かれた、インターネットに大きな影響力を持つ政治家や企業家らの集まった会合「25 Years of .Com Policy Impact Forum」で、「ある意味、ドットコムはインターネットの代名詞になった」と語った。

 また、会合ではドットコムの経済効果も大きく取り上げられた。

 米シンクタンク「情報技術イノベーション財団(Information Technology and Innovation FoundationITIF)」によれば、ドットコムは、年間4000億ドル(約36兆円)規模の経済活動の基盤になっている。さらに、この規模は2020年には9500億ドル(約86兆円)に拡大する見込みだという。

 ベリサインによれば、ドットコム8500万件のうち、1190万件はeコマース(電子商取引)とオンラインビジネスのウェブサイトに利用されている。また、430万件はエンターテインメント関連サイトで、180万件はスポーツ関連サイトとなっている。

 また、1日に5件以上のドットコムウェブサイトを訪問する人は米国民の81%に上り、全体の3分の2の人が5-25件のサイトを訪問しているという。5人に1人がドットコムサイトで就職を見つけたと述べ、配偶者や大切な人とドットコムサイトで出会ったという人も6%に上った。(c)AFP/Chris Lefkow