【3月15日 AFP】米国境に近いメキシコ北部シウダフアレス(Ciudad Juarez)で13日、米国領事館職員の車両が麻薬組織とみられる一味に相次いで襲撃され、職員や家族が射殺される事件があった。米政府が14日、明らかにした。事件は、メキシコ北部における麻薬組織絡みの抗争の激化を裏付けるものとなった。

 1件目の襲撃事件は、在シウダフアレス米領事館で米国人対象の事務を担当していた米国人女性が乗った車両を狙ったもので、この女性職員と米国人の夫が射殺された。車両には幼い娘も乗っていたが、後部座席にいたため無事だった。

 2件目の事件では、米領事館のメキシコ人女性職員が運転する車が、夫と2人の子どもが乗った別の車とともに移動中、夫らが乗った車が襲撃を受けた。この女性職員のメキシコ人の夫が射殺され、子ども2人も負傷した。

 領事館職員を狙った襲撃事件をうけ、米国務省はただちにメキシコへの渡航延期勧告を出すとともに、シウダフアレスのほか、北部のティフアナ(Tijuana)、ノガレス(Nogales)、ヌエボラレド(Nuevo Laredo)、モンテレイ(Monterrey)、マタモロス(Matamoros)の各領事館に勤務する米国人職員に対し、安全上の懸念があるとして4月12日までに家族を帰国させるよう勧告した。(c)AFP