【3月9日 AFP】韓国のソウル(Seoul)で9日、充電設備を埋め込んだ「充電する道路」を利用する環境に優しい公共交通システム「オンライン電気自動車(Online Electric VehicleOLEV)」の試験運行が始まった。

 試験運行はソウル南部のアミューズメントパーク、ソウル大公園(Seoul Grand Park)で行われ、呉世勲(オ・セフン、Oh Se-Hoon)ソウル市長や、OLEVを開発した韓国科学技術院(Korea Advanced Institute of Science and TechnologyKAIST)の徐南杓(ソ・ナムピョ、Suh Nam-Pyo)総長らが乗り込んで2.2キロを走行した。経路のうち約400メートルに充電装置が敷設されており、3台の車両をけん引する。

 OLEVの車体下部に装着されている受電装置が、地下の充電装置から磁気を使った非接触式充電によって電気を受け取る仕組みになっている。受け取った電気は駆動用に使われるだけでなく、バッテリーに蓄えておくこともできる。韓国科学技術院によると、OLEVは従来の電気自動車のわずか5分の1の大きさのバッテリーを使用しているほか、大がかりな充電を行う必要がないという。さらに、トラムやトロリーバスで使われるような架線もいらないという。
 
 試験運行が成功すれば、ソウル市内のバス路線に導入する計画もある。その場合、充電装置を埋め込むのはバス停や駐車スペース、交差点など路線全体のわずか20%で済むとされ、運行コストも従来の電気自動車のおよそ3分の1だという。(c)AFP