【3月6日 AFP】ナバネセム・ピレイ(Navanethem Pillay)国連人権高等弁務官(UN High Commissioner for Human Rights)は4日、世界で毎年5000人の女性が「名誉殺人」で命を落としていると発表した。

 名誉殺人(honour killing)とは、婚外交渉を持った女性や、親が決めた相手とは別の男性との結婚を望む女性を一族の名誉を守るためとして殺害すること。中東や南アジアなどで報告されている。

 発表によると、世界の女性の3人に1人は生涯のなかで殴打や性的暴行などの虐待を受けており、そのような虐待は同じ一族からなされることが最も多いという。

 ピレイ高等弁務官は、一部の国の司法制度が名誉殺人を犯した者を罰しない仕組みになっていることが問題を悪化させていると指摘し、国際法のもとでは、女性が差別されないよう制度を整備するのは国家の責任なのは明かだと述べた。インドは前月、名誉殺人を厳しく罰する新法の制定を検討していると発表している。(c)AFP