【3月5日 AFP】イタリア・ローマ(Rome)のフィウミチーノ(Fiumicino)国際空港に5日から、個人の身体的特徴は詳細に表示せずに、危険物の可能性のある所持品を検知する新型の全身透視スキャナーが試験導入される。セキュリティー・チェックの効率性とスピードの向上につながるかどうか検討する。

 試験運用は4~6週間。米国行きとイスラエル行きの路線が離陸するターミナル5で、米国へ向かう乗客が対象。通常の金属探知機を通過した後の乗客にランダムに、全身透視スキャナーの通過を促す。

 スキャナー装置は米国製で、高さ3メートル、幅2メートルのボックス。中に、両手を挙げて約6秒間立ち、その間に低周波電磁波スキャナーで検査する。

 全身透視スキャナーについて英国では、2月1日からマンチェスター(Manchester)空港とロンドンのヒースロー(Heathrow)空港で導入されたスキャナーが、衣服を透視して身体的特徴があらわになってしまうとして、EU法のプライバシー権の侵害にあたると、平等人権委員会(Equality and Human Rights CommissionEHRC)が指摘した。

 こうしたプライバシー侵害への懸念を払拭するために、フィウミチーノ国際空港に導入された新型スキャナーでは、体型などが簡略化されて表示され、画像も保存されない。(c)AFP/Davide Berretta