【3月5日 AFP】白亜紀末(およそ6500万年前)の恐竜の絶滅の原因は、原子爆弾10億個分の威力に相当する小惑星の衝突だったとする論文が、4日の米科学誌サイエンス(Science)に掲載された。恐竜絶滅の原因に関する長い論争に、これで決着をつけたい考えだ。

 41人の科学者で構成される国際チームは、恐竜を含む地球上の生物種の半分以上が死滅したいわゆる「白亜紀第3紀間絶滅(KT絶滅)」の原因について、過去20年間に発表された各種論文を精査した。

 その結果、直径約15キロの小惑星がメキシコのユカタン半島に衝突したことが原因であるとの結論に達した。「チチュルブ・クレーター(Chicxulub Crater)」がその衝突跡と見られる。

 衝突エネルギーは、広島に落とされた原爆の10億倍に相当。衝撃で地上の物質が瞬時に大気中に放出され、太陽光を遮り、急激に寒冷化した。これが原因で生き物の大半が数日内に死滅したと考えられる。

 KT絶滅については、現在のインドの位置で150万年も続いた大規模な火山活動が原因とする説もあった。(c)AFP