監督賞ノミネートのK・ビグロー、性別の壁を超えられるか?
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【3月4日 AFP】7日に発表される第82回アカデミー賞(Academy Awards)で監督賞にノミネートされている『ハート・ロッカー(The Hurt Locker)』のキャスリン・ビグロー(Kathryn Bigelow)監督(58)。もしもビグローが女性初の同賞受賞者となれば、オスカーの歴史を塗り替えることになる。
しかし同時にビグローが受賞すれば、映画評論家たちが「ガラスの天井」ならぬ「セルロイドの天井(Celluloid Ceiling)」と呼ぶ、映画業界内に横たわる男女間の大きな不均衡という問題を覆い隠しかねない。
これまで同監督賞にノミネートされた女性は4人しかいない。ビグローのほかには『セブン・ビューティーズ(Seven Beauties)』(1976年)のリナ・ウェルトミューラー(Lina Wertmuller)、『ピアノ・レッスン(The Piano)』(1993年)の ジェーン・カンピオン(Jane Campion)、『ロスト・イン・トランスレーション(Lost In Translation)』(2003年)のソフィア・コッポラ(Sofia Coppola)の3人のみだ。
サンディエゴ州立大学(San Diego State University)でテレビ・映画業界における女性学を研究しているマーサ・ローゼン(Martha Lauzen)氏によれば、アカデミー賞で認められる女性の映画製作者の少なさは、業界全体に広く浸透している傾向を反映しているという。
同氏の最近のレポートでは、2009年の北米映画興収トップ250作品の中で女性が監督した作品はわずか7%で、前年に比べ2%減少したことが示されている。
ローゼン氏は、ハリウッドの大半が映画業界における女性問題に背を向けていると指摘する。「大手業界誌の編集者やスタジオのトップが問題ないと言うのを聞いてきた。セルロイド・シーリングなんて存在しないと言う人もいるし、有名な4、5人の女性監督の名前を挙げて『ほらね、問題ないだろう』と言う人もいる。これは大きな誤解を招く」
「4、5人の女性監督の名前を挙げることができたからといって、問題がないことにはならない。問題があると思わなければ、解決を図ろうともしない。これが現在の状態を長引かせている」
ローゼン氏はまた、可能性が高いとされるビグローの監督賞受賞に対しても慎重になっている。「短期的に見れば、この問題には多くの関心が集まるだろう。それは歓迎だ。しかし、1人の女性の輝かしい功績の意味するものに対してもっと現実的な見方をしなければならない」
「性別に関する人々の考え方は凝り固まっていて、変化するとしてもそのスピードは非常に遅い。だから2、3通りの結果が予想できる」
「ビグローが勝てば、メディアは、いかにすべてが変わり、男女平等の時代になったかを書き立てるだろう。これは残念なことだ」
オスカーの前哨戦ですでに女性初となる監督組合賞の最高賞を受賞している当のビグローだが、この授賞式シーズンでは自分の性に関する重要性は強調してこなかった。しかし、こちらも女性として初めて英国アカデミー賞監督賞を受賞した際、映画業界で女性が常にもがき苦しんでいることに言及し、「これが女性を導く一筋の光になれば素晴らしいことだ」と語っている。(c)AFP/Rob Woollard
しかし同時にビグローが受賞すれば、映画評論家たちが「ガラスの天井」ならぬ「セルロイドの天井(Celluloid Ceiling)」と呼ぶ、映画業界内に横たわる男女間の大きな不均衡という問題を覆い隠しかねない。
これまで同監督賞にノミネートされた女性は4人しかいない。ビグローのほかには『セブン・ビューティーズ(Seven Beauties)』(1976年)のリナ・ウェルトミューラー(Lina Wertmuller)、『ピアノ・レッスン(The Piano)』(1993年)の ジェーン・カンピオン(Jane Campion)、『ロスト・イン・トランスレーション(Lost In Translation)』(2003年)のソフィア・コッポラ(Sofia Coppola)の3人のみだ。
サンディエゴ州立大学(San Diego State University)でテレビ・映画業界における女性学を研究しているマーサ・ローゼン(Martha Lauzen)氏によれば、アカデミー賞で認められる女性の映画製作者の少なさは、業界全体に広く浸透している傾向を反映しているという。
同氏の最近のレポートでは、2009年の北米映画興収トップ250作品の中で女性が監督した作品はわずか7%で、前年に比べ2%減少したことが示されている。
ローゼン氏は、ハリウッドの大半が映画業界における女性問題に背を向けていると指摘する。「大手業界誌の編集者やスタジオのトップが問題ないと言うのを聞いてきた。セルロイド・シーリングなんて存在しないと言う人もいるし、有名な4、5人の女性監督の名前を挙げて『ほらね、問題ないだろう』と言う人もいる。これは大きな誤解を招く」
「4、5人の女性監督の名前を挙げることができたからといって、問題がないことにはならない。問題があると思わなければ、解決を図ろうともしない。これが現在の状態を長引かせている」
ローゼン氏はまた、可能性が高いとされるビグローの監督賞受賞に対しても慎重になっている。「短期的に見れば、この問題には多くの関心が集まるだろう。それは歓迎だ。しかし、1人の女性の輝かしい功績の意味するものに対してもっと現実的な見方をしなければならない」
「性別に関する人々の考え方は凝り固まっていて、変化するとしてもそのスピードは非常に遅い。だから2、3通りの結果が予想できる」
「ビグローが勝てば、メディアは、いかにすべてが変わり、男女平等の時代になったかを書き立てるだろう。これは残念なことだ」
オスカーの前哨戦ですでに女性初となる監督組合賞の最高賞を受賞している当のビグローだが、この授賞式シーズンでは自分の性に関する重要性は強調してこなかった。しかし、こちらも女性として初めて英国アカデミー賞監督賞を受賞した際、映画業界で女性が常にもがき苦しんでいることに言及し、「これが女性を導く一筋の光になれば素晴らしいことだ」と語っている。(c)AFP/Rob Woollard