【3月4日 AFP】スペインの警察当局は3日、世界最大規模のボットネットを構築し、1300万台以上のパソコンを支配下に置いていた男3人を逮捕したと発表した。

 ボットネットとは、パソコンなどに遠隔操作できる攻撃用プログラム(ボット)を送り込み、コマンドサーバーからの指令で情報を盗むなどの攻撃を行わせるネットワーク。

 このボットネットの被害はほぼ世界各国に広がり、一般家庭や大学、銀行、政府機関、企業などのパソコンが影響を受けた。米紙フォーチューン(Fortune)の大企業ランキング1000社に名を連ねる米企業の半数以上が被害にあった。

 このボットネットはクレジットカードデータ、オンラインバンキングのパスワード、ソーシャルネットワーキングサイト(SNS)のアカウント情報などの情報を盗み出すよう設計されていたという。

 警察当局によると、今回摘発されたボットネットはこれまでで最大の規模。パソコンの所有者が受けた被害額は明らかにしなかったが、専門家らは感染したパソコンからウイルスを取り除くのに数千万ドル(数十兆円)かかると指摘している。

 このボットネットは前年末、スペイン警察や米連邦捜査局(Federal Bureau of InvestigationFBI)、スペインとカナダの個人情報セキュリティー企業2社による合同捜査により閉鎖された。

 逮捕された3人はいずれもスペイン人で、年齢は25~31歳。当局は3人がボットネットを犯罪利用を目的にした第三者に貸し出して収入を得ていたとみている。(c)AFP/Olivier Thibault