【2月22日 AFP】スーダン・ダルフール(Darfur)地方の紛争をめぐって、反政府組織「正義と平等運動(Justice and Equality MovementJEM)」は21日、隣国チャドの首都ヌジャメナ(Ndjamena)で、スーダン政府との停戦に関する暫定合意に調印したと発表した。

 JEMの発表直後、スーダンのオマル・ハッサン・アハメド・バシル(Omar Hassan Ahmed al-Bashir)大統領は、2008年5月に首都ハルツーム(Khartoum)で発生した大規模攻撃に関与したとしてJEM戦闘員100人に下されていた死刑判決の取り消しを宣言した。

 チャド大統領府から発表された声明によると、同国のイドリス・デビ(Idriss Deby Itno)大統領の仲介で行われた会談で、双方が即時停戦と今後の条件等についての交渉開始に合意したという。最終合意は、スーダンで大統領・議会選が行われる4月までに、調印される予定という。

■紛争解決に一歩前進

 スーダンは長年、チャドが反政府勢力を支援していると非難してきたが、今月8日、両国大統領がハルツームで和解。バシル大統領は両国関係のページが完全にめくられた」と述べていた。

 スーダン政府とJEMの停戦で、紛争における最大の戦闘地域で停戦が実現することになる。一方で、反政府勢力「スーダン解放軍(Sudanese Liberation ArmySLA)」の一派は会談への参加を拒否している。

 ダルフール紛争では、国連(UN)の統計で約30万人が死亡、270万人が難民となった。スーダン政府は死者数を1万人と発表している。(c)AFP/Guillaume Lavallee