【2月22日 AFP】環太平洋やアフリカ南部などで異常気象を引き起こすエルニーニョ(El Nino)現象の発生を1年以上も前に予測することに内外の気象学者らが成功し、研究結果が21日、英科学誌ネイチャー・ジオサイエンス(Nature Geoscience)電子版で発表された。

 エルニーニョは、太平洋赤道域の西側から東側までの広い海域において貿易風の影響で海面温度が上昇する現象で、南米大陸西部の乾燥地帯に豪雨をもたらす一方、太平洋西域では干ばつの原因となっている。

 エルニーニョ現象は2年~7年周期で発生し、その翌年には太平洋赤道域の海水を冷やすラニーニャ(La Nina)現象が起きることも分かっている。だが、現在の予測技術では、農業や漁業従事者らがエルニーニョに備えることはできていない

 研究に関わった日本の気象学者によると、インド洋(Indian Ocean)で1年おきに発生するエルニーニョに似たインド洋ダイポールモード(Indian Ocean DipoleIOD)現象など、1981年から2009年の気象データを分析が、エルニーニョ早期予測法の発見につながったという。

 気象学者らは、太平洋の西部と東部で海水温度の上昇と冷却が交互に起きる理由は、インド洋と太平洋における大気循環パターンによるものと結論づけている。(c)AFP