【2月18日 AFP】17日、大地震の爪あとが残るハイチを、旧宗主国であるフランスのニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)大統領が同国大統領として史上、初めて訪問した。

 記者会見したサルコジ大統領は前月12日に発生した地震で壊滅的な被害を受けたハイチを、フランスは強力に支援していくと述べ、5600万ユーロ(約69億円)の債権放棄を含む今後2年間で3億2600万ユーロ(約403億円)の支援計画を明らかにした。

 米州開発銀行(Inter-American DevelopmentIDB)は今回の地震によるハイチの損害額は140億ドル(約1兆3000億円)に上ると推計している。現代史上最悪の自然災害ともいえ、すでに米大陸の最貧国であるハイチをさらに窮地へ追いやった。

 サルコジ大統領はヘリコプターで空から首都ポルトープランス(Port-au-Prince)の被害状況を視察したほか、フランスが設置した野外医療キャンプを訪問した。

 迎えたルネ・プレバル(Rene Preval)ハイチ大統領は、旧宗主国フランスの大統領のハイチ独立後初の訪問に歓迎の意を表しながらも、「(地震後の悲惨な状況ではない)別の時であったら良かった」と述べた。

 一方、大統領宮殿前では、04年に反大統領勢力の蜂起で出国し、現在南アフリカに亡命中のジャン・ベルトラン・アリスティド(Jean-Bertrand Aristide)元大統領の帰国に力を貸すよう、サルコジ大統領に訴えるデモを、ポルトープランスの貧困地区から集まったとみられる若者らが行っていた。アリスティド氏は復興のために帰国の用意がある意思を表明している。(c)AFP/Nadege Puljak