【2月11日 AFP】インドにこのほど、「0ルピー紙幣」が登場した。

 50ルピー紙幣そっくりのこの紙幣は、ロビー団体「5th Pillar」が、わいろ撲滅キャンペーンの一環として発行した「抗議の紙幣」。文字通り、紙切れ1枚分の価値しかない。

 インドでは、出生登録や運転免許証の取得といった日常の行政サービスの窓口を円滑に受けるために、わいろを払わざるを得ない「チップ文化」が根強い。交通渋滞の中で、取り締まりと称して悪質な警官がわいろを要求してくることもある。そこで、そのような場合にはこの「0ルピー紙幣」を公務員に手渡し、わいろを拒否しようというのだ。

「5th Pillar」によると、「0ルピー紙幣」はまず、南部タミルナド(Tamil Nadu)州の学生に配布された。

 世界各国の汚職実態を監視するドイツの非政府組織(NGO)「トランスペアレンシー・インターナショナル(Transparency International)」が発表した最新の年次報告によれば、基本的な行政サービスを受けるために、インドの貧困家庭約400万世帯がわいろを強要されているという。(c)AFP/Yasmeen Mohiuddin