【2月7日 AFP】(写真追加)米環境保護団体「シー・シェパード(Sea Shepherd Conservation Society)」の抗議船と日本の調査捕鯨船の衝突をめぐり、双方の非難の応酬が激しさを増している。

 シー・シェパートは6日、日本の調査捕鯨船「第3勇新丸(Yushin Maru No. 3)」が抗議船「ボブ・バーカー(Bob Barker)」号に故意に衝突したと発表した。日本側は衝突を回避しようとしたが衝突してしまったと話している。

 シー・シェパードのポール・ワトソン(Paul Watson)氏は7日、AFPに「日本側は捕鯨を続けようとしており、我々はこの場所を離れるつもりはない。衝突は今後も起きるだろう」と語った。

 ワトソン氏によるとこの1か月ほど日本の調査捕鯨船団を探していたボブ・バーカー号は、6日の朝にようやく捕鯨船団を見つけた。ボブ・バーカー号は母船「日進丸(Nisshin Maru)」のクジラの水揚げを阻むため、日進丸の船尾から約200メートルの位置につけた。

「するとすぐに4隻の捕鯨船が(ボブ・バーカー号を)取り囲み、放水銃と長距離音響発生装置(long-range acoustical devicesLRAD)を撃ってきた。そして4隻のうちの1隻、第3勇新丸がすぐ近くまで接近すると急に方向を変え、船尾をうちの船の船尾にぶつけてきた。長さ約1メートル、幅約4インチ(約10センチ)の裂け目ができた」(ワトソン氏)

 一方、調査捕鯨を行っている日本鯨類研究所(Institute of Cetacean ResearchICR)は、異臭がする酪酸(butyric acid)が入ったものを投げ入れようとボブ・バーカー号が第3勇新丸に危険なほど近くまで接近したため、衝突を避けようとしたところぶつかったと発表した。
 
 いずれの船にもこの衝突による負傷者や大きな損傷はなかった。(c)AFP