【2月6日 AFP】(記事更新)イングランドサッカー協会(Football Association、FA)は5日、同代表のファビオ・カペッロ(Fabio Capello)監督が、不倫騒動の渦中にあるジョン・テリー(John Terry)から主将の座を剥奪したと発表した。

 ウェンブリー・スタジアム(Wembley Stadium)内のFA本部でテリーと会談したカペッロ監督は、6月に開幕する2010年サッカーW杯南アフリカ大会(2010 World Cup)で率いるチームのため、テリーから主将の座を剥奪する決定を下したと語った。

 カペッロ監督は「熟慮を重ねた結果、テリーからキャプテンの座を剥奪するのがベストだという決定を下した。テリーはチームの主将として素晴らしい態度を示していたが、ほかに配慮する問題と、チームにとって最良であることを考えなければならなかった。イングランド代表にとって何が最良であるかということが私の選択を導き、一番最初にジョン・テリーに伝えた。テリーを主将に任命した際、副主将(リオ・ファーディナンド(Rio Ferdinand))と第3主将(スティーブン・ジェラード(Steven Gerrard))を選んでいる。この決定を覆す理由はない」と声明を発表し、新主将にファーディナンドを指名することを示唆している。

 2人の子供の父親であるテリーは、代表でチームメイトのウェイン・ブリッジ(Wayne Bridge)の元交際相手で下着モデルのヴァネッサ・ペロンセル(Vanessa Perroncel)さんとの不倫問題でメディアから批判を浴びており、カペッロ監督はテリーから主将の座を剥奪するために強いプレッシャーを感じていた。

 ペロンセルさんは自身の広報担当とともに報道陣の前に姿を現し、マスコミに自身のネタを売るつもりはないと表明したが、カペッロ監督の決定を知らされると、「何てこと!彼は降ろされてしまったの」と話し、ショックを受けた様子を見せていた。

 テリーは「ファビオ・カペッロの決定を全面的に尊重する。今後もイングランドにすべてをささげるつもりだ」と声明を発表している。

 就任当初はファーディナンドかジェラードを主将に指名するかと思われていたカペッロ監督だが、2008年8月にテリーを主将に任命している。また、同監督はウェイン・ルーニー(Wayne Rooney)のリーダーシップの資質に言及しており、2009年11月に行われたブラジルとの親善試合では同選手が主将を務めた。ファーディナンドとジェラードが負傷を抱えていることから、ルーニーがW杯で主将を務める可能性も捨てきれない。
 
 また、同日発行の英大衆紙デイリー・メール(Daily Mail)は、テリーのマネジメント仲介役の同僚が、ウェンブリースタジアムにある同選手のボックス席を現金4000ポンド(約56万円)で貸し出すと申し出たと報じ、テリーの苦悩の度合いが増している。12人収容のボックス席は、イングランド代表主将としてのテリーの特権だが、FAの規則では第3者への貸し出しを禁じている。テリーの代理人は、ボックス席を売り込もうとした疑惑について関与を否定している。(c)AFP/Angus MacKinnon