【2月4日 AFP】(5日記事更新)大相撲の横綱朝青龍(Asashoryu、29、本名ドルゴルスレン・ダグワドルジ、モンゴル出身、高砂部屋)が4日、現役引退を表明した。

 初場所開催中の1月、都内で飲酒した後に知人男性を暴行したとされる問題の渦中にあった朝青龍は、報道陣を前に「引退しました。今は晴れているような気持ち。大勢の人を騒がせて、横綱の責任を大きく感じている。けじめをつけるのは僕しかいない。(こういう形の引退は)自分にとっての運命じゃないかと思う。正直、ちょっと休みたい。精神的にダメージを受けたし、皆さんの力に圧倒されたこともありましたので」と語った。

 成功を収めているにもかかわらず、不快な発言や品行により相撲界の「悪童」というレッテルを貼られた朝青龍は、日本相撲協会(Japan Sumo Association)の理事会に呼び出しを受けた後、引退を表明した。

 伝えられるところによると、朝青龍は1月16日午前4時ごろに西麻布で口論になった男性を殴打した。当初、朝青龍は協会に対して自身のマネージャーに手を出したと伝えていたが、高砂(Takasago)親方は報道陣に対し、朝青龍は酔っていたため何があったかを正確には覚えていないと話している。鼻を骨折したとされる被害者男性は、警察に被害相談に訪れたものの、正式な届出をしていなかった。

 相撲協会の武蔵川(Musashigawa)理事は「本日の理事会で朝青龍の処分を議論した。2人(朝青龍と高砂親方)は決断する必要があると退席した。その後、引退届を理事会で受理した」とコメントし、朝青龍の起こした不祥事に関して被害者や相撲ファンらに謝罪した。

 相撲の伝統を重んじる人々から横綱としては態度が生意気すぎると非難を浴びていた朝青龍は、2007年には負傷を理由に巡業を休場したにもかかわらず、モンゴルでチャリティーサッカーの試合に出場し、2場所出場停止処分を受けている。

 朝青龍は初場所で通算25度目の優勝を飾り、32回の大鵬(Taiho)、31回の千代の富士(Chiyonofuji)に次いで、歴代3位の優勝回数を誇っている。(c)AFP