【2月1日 AFP】英国の故ダイアナ元妃(Princess Diana)がチャールズ皇太子(Prince Charles)との離婚調停中に「ドイツ系の一族(英王室)に嫁ぐべきではなかった」と担当弁護士に語っていたと、英サンデー・タイムズ(Sunday Times)紙が31日、この弁護士による著書の一部を引用して伝えた。

 この著書は、ダイアナ元妃から1996年に離婚調停手続きを依頼されたアンソニー・ジュリウス(Anthony Julius)弁護士が執筆した反ユダヤ主義に関する著作。

 サンデー・タイムズが掲載した著書の一部によると、元妃はエリザベス女王(Queen Elizabeth II)とチャールズ皇太子の双方から離婚への同意を迫る書簡を受け取り、ジュリウス弁護士に連絡してきた。2通の書簡は1時間内に相次いで送られてきたという。

 自身もユダヤ系であるジュリウス氏によると、ダイアナ元妃はユダヤ人に関心を持っていたが、ユダヤ人に関する知識は全く持ち合わせておらず、ユダヤ人男性は上流階級や彼女の周囲の男性たちよりも女性を丁重に扱うと聞いていたようだという。

 また、元妃はユダヤ人が敵対するもの全てについて自分も同調したがっており、現在の英王室の家系は18世紀ドイツ・ハノーバー(ハノーファー)選帝侯にさかのぼることから。「ドイツ系の一族に嫁ぐべきではなかった」とジュリウス氏に語ったこともあるという。

 ダイアナ元妃の人柄については「彼女の階級、性別にふさわしい教育が不足していた」と述べる一方、「新しい経験への受容能力は高く、時におかしな空想に取り付かれることもあった。また、他人を喜ばせたいとの強い願望を持っていた」と評している。

 また、元妃の生活は孤立状態にあったようで、周囲の世界から疎外されているように見えたと記している。

 ダイアナ元妃は1997年に仏パリで事故死している。(c)AFP