【1月31日 AFP】ハイチ政府は30日、子ども31人を違法に国外に連れ出そうとした米国人10人とハイチ人2人を警察が逮捕したと発表した。

 12人は29日夜、2か月~12歳の子どもたちを連れて隣国のドミニカ共和国に入ろうとしたところを警察に逮捕された。子どもを出国させるために必要な書類は持っていなかった。ハイチ政府によると、ハイチと米ジョージア(Georgia)州アトランタ(Atlanta)の牧師2人も関与していた。

 ハイチの社会問題相は「これは養子縁組ではなく誘拐だ」と述べた。

■米慈善団体の「犯行」か
 
 逮捕された米国人らは、米アイダホ(Idaho)州の慈善団体「Life Children's Refuge」のメンバーであることが分かっている。この団体はネット上で100人のハイチの子どもを安全にドミニカ共和国に入国させるため、寄付と子どもたちの世話をするボランティアを募っていた。

 子どもたちの一時滞在場所として、ドミニカ共和国内のホテルに45部屋を予約していたという。逮捕された男女5人ずつの米国人は現在ハイチの首都ポルトープランス(Port-au-Prince)の司法警察施設で拘束されている。

 人身売買や親が生きているにもかかわらず孤児と間違われる事例が報告されたため、米政府はハイチの子どもを養子にしようという自国民に慎重な対応を求めてきた。ハイチ政府は、当面の間、首相が署名した文書がない限り未成年者の出国を一切認めない方針をとっている。(c)AFP