【1月29日 AFP】アフガニスタンについての国際会議が28日、アフガニスタンや米英など約70か国が参加してロンドン(London)で開催され、前年11月の選挙で再選されたハミド・カルザイ(Hamid Karzai)大統領政権を支えて同国を安定させる方策について話し合われた。

 厳重な警戒のなか7時間にわたった今回の会議で、「2010年末から2011年の早い時期までに」アフガニスタン側がいくつかの州の治安権限を引き継ぐことが合意された。対象となる州の具体的な数は示されなかったが、「アフガンの完全な自立に向けた新しい段階」だとしている。

 会議では権限委譲について期待感が示されたが、外国軍は今後数年にわたって駐留を続ける可能性がある。米国のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)国務長官は、治安権限の委譲は「出口戦略ではない」と強調した。

 米国がアフガンへの軍部隊の増派を決めているほか、北大西洋条約機構(North Atlantic Treaty OrganisationNATO)主導の国際治安支援部隊(International Security Assistance ForceISAF)は2010年末までに15万人に増員することになっているが、カルザイ大統領は28日、アフガニスタンは少なくともあと10年は国際社会の支援が必要だと述べた。
 
 カルザイ大統領の提案の柱である同国の旧支配勢力タリバン(Taliban)戦闘員に戦闘行為を止めさせ、就職を促して社会復帰させるために国際社会の支援を受けて約5億ドル(約450億円)の基金を作るという案は会議で歓迎された。

 またカルザイ大統領は国内の和平と和解、再統合をはかる「平和ジルガ」とも言うべき国民会議を設立する方針を明らかにした。ジルガはアフガニスタンの伝統的な部族長会議。(c)AFP/Bronwen Roberts