【1月28日 AFP】英ブリストル大学(Bristol University)と中国科学院(Chinese Academy of Sciences)の考古学チームは27日、中国・東北部遼寧(Liaoning)省で見つかった恐竜の化石の羽毛に、赤褐色の色素を発見したと発表した。恐竜の色は従来は想像に頼るしかなく、科学的な証拠が得られたのは初めてだという。

 研究チームが調べたのは、遼寧省のかつて湖だった堆積層から発掘された白亜紀前期(約1億2500万年前)のシノサウロプテリクス(Sinosauropteryx)という小型肉食恐竜の化石。この恐竜はラブラドール犬や始祖鳥(Confuciusornis)ほどの大きさで、羽毛が生えていたとみられている。

 ブリストル大チームが電子顕微鏡を使って、色素を含むメラノソームと呼ばれる小胞が化石に残っていないか調査したところ、ソーセージ型と球型の2種類のメラノソームを見つけることに成功した。前者はユーメラノソーム(eumelanosomes)、後者はフェオメラノソーム(phaeomelanosomes)といい、黒と灰色の色素を持ち、明るいベージュからショウガのような赤褐色にわたる色を呈する。

 研究チームは化石にメラノソームがない部分は白かったと想定している。また始祖鳥は白、黒、褐色だったと想像している。

 ブリストル大の考古学者マイク・ベントン(Mike Benton)教授は、化石から失われたメラノソームがあったかもしれないため羽毛の実際の色は違っていた可能性もあると語った。またメラノソームが残っていない恐竜の皮膚の色を明らかに出来る可能性は非常に小さいという。

 論文は28日の英科学誌ネイチャー(Nature)に掲載される。(c)AFP/Richard Ingham