【1月27日 AFP】韓国・聯合ニュース(Yonhap)は26日、前年11月30日にデノミ(通貨呼称単位の変更)を導入した北朝鮮の新通貨の外貨交換レートが激しく変動していると報じた。

 聯合ニュースによると、北朝鮮の中央銀行は1月初頭、1ユーロ=138ウォンと設定した。

 しかしその後、ある西側外交官の話によれば、平壌(Pyongyang)市内のホテルで1ユーロ=40ウォンになった後1ユーロ=51ウォンになった。また、多くの外国人が宿泊する高麗ホテル(Koryo Hotel)では、22日の数時間のうちに、1ユーロ=51ウォンから1ユーロ=120ウォンに大きく変動したという。韓国統一省はこの報道について、確認がとれていないとした。

 前年11月30日、北朝鮮当局は旧通貨と新通貨の交換比率100対1のデノミネーションを発表した。しかし、報道によれば、新通貨への交換限度額が設けられたため、限度額以上の預金が事実上没収されるかたちになり、市民からの怒りの声が巻き起こったという。

 韓国の専門家によると、デノミ以降インフレが加速して商店や市場は混乱を極め、生き延びるために物々交換を始める人も出ているという。韓国の対北援助団体「グッドフレンズ(Good Friends)」は26日、北朝鮮北部の清津(Chongjin)では22日までの1週間でコメの価格が3倍に跳ね上がったと発表した。

 政府による経済活動の管理強化と自由市場経済の発展抑制がデノミ導入の目的だったと広く考えられている。北朝鮮政府は今年の1月1日から外国通貨の使用も禁止し、外国人滞在者は持っている外国通貨をウォンに変えなければならなくなったが、これも経済の管理強化の一環だとみられている。(c)AFP