【1月26日 AFP】世界で大ヒット中の映画『アバター(Avatar)』2D版の上映打ち切りを発表した中国当局は25日、国産映画の上映が優先されなければならないとする声明を発表した。

 中国では前週、『アバター』2D版の上映が打ち切られたが、愛国的な中国映画『孔子(Confucius)』の封切りに備え、政府が上映縮小を決定したのではないかとの非難の声が上がった。

 国営通信によれば、4日に2D版と3D版で公開された『アバター』は8000万ドル(約72億円)の興行収入を記録し、中国歴代1位に上り詰めた。

 中国国務院はこの日の声明で、デジタル映画の製作本数を増やしたり、製作会社の銀行を通じた資金調達を可能にするなど、国内の映画産業が発展していくための手立てを求めた。さらに映画業界に対し、国産映画の年間の上映時間を全映画上映時間の3分の2以上にするとした規定を厳格に実行しなければならないとした。

 中国では年間20本の海外映画の上映が許可されている。

 米国は海外映画の上映制限に関し中国に対して繰り返し改善を求めており、世界貿易機関(World Trade OrganisationWTO)は12月、中国政府に対し米国の映画、音楽、書籍の自由な流通を求める決定を支持している。(c)AFP