【1月25日 AFP】エチオピア航空(Ethiopian Airlines)のボーイング(Boeing)737型機が25日、レバノン・ベイルート国際空港(Beirut International Airport)を離陸直後、地中海に墜落した事故で、同空港に集まった乗客の家族らは最悪の事態も覚悟して、消息を知らせる報を待っている。

 同機には乗客83人、乗員7人の計90人が搭乗していた。

 ベイルート空港のVIPラウンジには家族らが集まっているが、当局者らの暗い表情は、生存者発見の可能性が低いことを示している。延々とすすり泣く者や、うめき声をあげる者、ひっきりなしに電話をかけまくる者など、家族の反応はさまざまだ。気を失い、赤十字のボランティアによってラウンジから運び出された家族もいる。

 夫が乗っていたという女性は「彼はわたしの人生そのもの。なのに、もう彼は見つからないんでしょう。分かってるわ、見つからないのよ」と嘆き、かたわらから母親が女性を抱きしめていた。

 同機がベイルート南方のナーメ村沖に墜落したのは離陸直後の現地時間午前2時30分(日本時間午前9時30分)。周辺の海岸には、座席や荷物、乗客の持ち物などが打ち上げられており、救援部隊が集まっている。

 レバノン国防省の高官によると墜落前に同機は爆発し、4つの部分に分かれたという。目撃者は急降下していく同機が炎に包まれていたと証言している。調査チームは落雷の可能性についても検討している。

 墜落現場の近くのガソリンスタンドの店員は、大きな爆発音を聞いた後、同機が墜落して「巨大な火の玉」が見えたと語った。また別の目撃者は、「海全体が燃え上がったようだった」と述べた。(c)AFP/Rita Daou