【1月22日 AFP】韓国紙・中央日報(JoongAng Daily)は22日、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記の側近の1人とされる金明国(キム・ミョングク、Kim Myong-Guk)総参謀部作戦局長(70)が降格処分を受けていたと報じた。

 中央日報は、2009年6月と今週撮影された金明国氏の写真を掲載。2009年の写真で金明国氏の軍服の襟元には大将の位を示す4つ星が見られる。だが、今週、金総書記の軍事訓練視察に同行した際に撮影された写真では星の数は3つしかない。これは上将の位を示すことから、同紙は金明国氏が1階級降格になったと指摘した。

 一方、金明国氏は現在も金総書記に同行し状況説明などを行っていることから、韓国の北朝鮮有識者らは、同氏は降格された後も総参謀部作戦局長の職務を維持しているとみている。

 韓国国防研究院(Korea Institute for Defence AnalysesKIDA)の白承周(ペク・スンジュ、Baek Seung-Joo)氏によると、北朝鮮軍の将校が降格処分を受けながらも、実質的に降格前の位を維持することはきわめて異例だという。

 金明国氏が降格となった理由について、崔鍾根(チェ・ジョンクン、Choi Jong-Kun)教授(政治経済学)は、2009年11月10日に黄海(Yellow Sea)上の軍事境界線にあたる北方限界線(NLL)付近で北朝鮮と韓国の軍艦が一時的に交戦状態となった事件と関連があるとの見方を示した。

 金明国氏は、金総書記に最も近い側近の1人とみられており、前年だけでも15回、金総書記の視察に同行している。(c)AFP