【1月20日 AFP】スーダンのオマル・バシル(Omar al-Beshir)大統領は19日、2011年1月に予定されている南部の分離独立を問う住民投票について、「住民が選択した場合にはスーダン政府は南部の独立を承認する」と発言した。

 大統領は、西赤道(Western Equatoria)州の州都ヤンビオ(Yambio)で、南北間の内戦終結5周年を記念する式典に出席し、「(与党)国民会議(National Congress Party)は統一の方が望ましいとの立場だが、住民投票で分離独立の結果が出た場合はそれを配慮し、支持する。北部と南部は良い隣人になるだろう」と演説した。

 スーダンでは2005年1月9日、22年にわたる南北間の内戦に終止符を打った「南北包括和平合意(North-South Comprehensive Peace AgreementCPA)」が署名された。この合意は、今年4月の複数政党による総選挙と来年1月の住民投票への道筋を付けることとなった。住民投票は、南北間の対立の再燃で実現が危ぶまれていたが、前年12月になって議会は「南部の分離独立を問う住民投票案」を承認した。

 なお、バシル大統領は、再選を目指して総選挙に再出馬すると言明している。

 式典に同席した、南部スーダンの大統領を務めるサルバ・キール・マヤルディ(Salva Kiir Mayardit)スーダン第1副大統領は、住民投票の結果のいかんに関わらず、平和を維持することが重要だと強調し、「結果がどうであれ北部と南部は政治的・経済的な相互関係を維持していく」と述べた。

 また、南部が独立した場合でも、南部スーダンの収入の98%を占める石油は、精製と輸出のために北部へ供給すると語った。

 北部の収入源の約60%は石油から来ているとされている。(c)AFP/Guillaume Lavallee