【1月19日 AFP】2009年11月末にインド洋(Indian Ocean)上で海賊に乗っ取られていたギリシャ船籍の大型石油タンカー「マラン・センタウルス(Maran Centaurus)」が18日、人質となっていた乗組員28人とともに解放された。タンカー所有者が明らかにした。解放と引き換えに過去最高額となる身代金700万ドル(約6億3500万円)が海賊側に支払われたとみられる。 

 タンカー所有者は身代金支払いの有無については触れていないが、海上での不正行為を監視する環境保護団体Ecoterra Internationalによると、乗っ取られたタンカーのデッキ上に小型機から現金700万ドルが投下された。このほかにも、200万ドル(約1億8000万円)が送金されたという。

 身代金が投下された際、身代金をめぐる内輪もめから海賊側で銃撃戦が発生し、海賊2人が死亡。このため、タンカーの解放が遅れたという。

 また、海賊は人質となった乗組員らが「非常に協力的だった」として、各乗組員にそれぞれ500ドル(約4万5000円)の謝金を支払ったと豪語しているという。

「マラン・センタウルス」乗組員の国籍はフィリピン人16人、ギリシャ人9人、ウクライナ人2人、ルーマニア人1人。(c)AFP/Mustafa Haji Abdinur